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救命・応急手当の基礎知識
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熱傷(やけど)をした


 熱傷は、傷害の範囲が広ければ広いほど、また、深ければ深いほど重症になり、適切な処置がとられないと命に関わることがあります。

●軽~中症の熱傷

【1】ただちに水道水を流しながら、洗面器などに患部をつけて痛みが治まるまで冷やす。

・氷嚢や蓄冷剤などを使うときは、清潔なタオルなどにつつんで患部にあてる

・皮膚に衣服がくっついている時は脱がさずに、そのまま冷やす。その部分を残してはさみで衣服を切り取る

・指輪、腕時計など装身具はすみやかにはずす

・軟膏、消毒薬など何も塗らない

・水ぶくれはつぶさない

・十分に冷やしたら清潔なガーゼなどをあてて、すぐに病院を受診する

【2】ごく軽症のやけどは、十分に冷やしたら何もしない。痛み、赤みがとれたら(和らいだら)、そのままにしておけば治るが、気になるなら救急絆創膏を貼っておく。

●重症の熱傷

【1】範囲の「広い」やけど、「深い」やけどであったら、または熱い煙を吸い込んだ時は気道熱傷の恐れがあるため、すぐに119番に通報する。

・大きなやけどは、患部を清潔なタオルやシーツなどでおおって水をかける、あるいは水に浸した清潔なタオルやシーツなどで患部を冷やす(図15

・衣服は無理して脱がさず、そのまま冷やす

・衣服がくっついている場合は、その部分を残してはさみで衣服を切り取る

・広いやけどの場合、広範囲を長時間冷やすことで、小児や高齢者は循環状態に影響を及ぼすことがあるので冷やしすぎに注意する

・重症のやけどでは、水で冷やす以外のことはしてはいけない。後の治療に差し支えるため、消毒、塗り薬などを使用しないこと

【2】状態を観察し、顔面蒼白、冷や汗、吐き気、意識障害、呼吸困難などがみられたら、心肺蘇生法を、救急車が来るまで続ける。


上野 幸廣


図15 熱傷の手当
図15 熱傷の手当

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症状別の応急手当、心肺蘇生法、止血法
などが確認でき、病気やけがをした人を
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