ポケットメディカ 健康レシピ

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食べ方を工夫してコレステロール値上昇を防ぐ
コレステロールを多く含む食品、コレステロールを増やす食品を一切食べてはいけないということはありません。コレステロールが高めの場合は避けたほうがよいもの、コレステロール値を上げない食べ方の工夫を、献立作りに生かしてください。
青背の魚に豊富なDHAやEPAをとる
 食品中に含まれる脂質の主な成分は脂肪酸とよばれ、いくつかの系列に分けられています。飽和脂肪酸は、主に肉や乳製品に含まれ、とりすぎるとLDLコレステロールや中性脂肪を増やします。
 一方、不飽和脂肪酸は、主に魚や植物油に含まれ、さらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。青背の魚の脂質に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)や、EPA(エイコサペンタエン酸)は、多価不飽和脂肪酸のうちのオメガ3系という系列に属し、血中のLDLコレステロールや中性脂肪を減らして、HDLコレステロールを増やす働きがあります。また、血栓ができるのを抑えて、動脈硬化を予防する効果も認められます。
 DHAやEPAが豊富に含まれている青背の魚の、あじやいわし、さんまやさばなどを積極的にとるようにしましょう。魚の1日の摂取量は80~100gほどを目安にしてください。ただし、不飽和脂肪酸は非常に酸化しやすいので、新鮮なものを選ぶというように注意が必要です。
 調理に用いる油にも配慮しましょう。動物性の脂肪で飽和脂肪酸に分類されるバターやラードは、LDLコレステロールや中性脂肪を増やし、一価不飽和脂肪酸に分類されるオレイン酸のオリーブ油や菜種油は、LDLコレステロールを減らします。

コレステロール吸収を防ぐ大豆や大豆製品を
 大豆や、豆腐、納豆、おからなどの大豆製品は、重要なたんぱく源であるとともに、コレステロールの吸収を妨げるさまざまな栄養成分を含んでいます。大豆の苦みや渋み成分のサポニンは血液中の脂質の酸化を抑え、レシチンには血管にコレステロールがたまるのを防ぐ作用があり、シトステロールという物質には腸管からのコレステロールの吸収を防ぐ働きがあります。また、納豆に含まれるナットウキナーゼには、血栓を溶かして血行を改善する作用もあります。毎日の食事に大豆製品を上手に取り入れましょう。

コレステロール値が高めなら控えたほうがよい食品
 体が必要とするコレステロールの量はほぼ一定で、食べ物からのコレステロールが多すぎるときは、肝臓が合成量を減らして全体量をコントロールする仕組みになっています。ところが、食べすぎや飲みすぎによるエネルギー過剰や、バランスの悪い食生活が続くと、肝臓の調節機能がうまく働かなくなり、LDLコレステロール値や中性脂肪値が常に高い状態になってしまいます。
 健康な状態であれば、食べ物からとった余分なコレステロールは排泄されますが、コレステロール値に問題があるときは、食べ物から過剰なコレステロールを摂取すれば、ますますLDLコレステロール値を上げることになります。とくにコレステロールを多く含む食品には、注意が必要です。
 コレステロールを多く含む食品には、魚卵、うなぎ、しらす干しや干物、いか、貝類、鶏卵やうずら卵、豚牛鶏などの内臓、乳製品などがあります。
 また、飽和脂肪酸を多く含む肉の脂身やベーコン、ハムなどの肉加工品、バターなどの動物性油脂、糖質の多いケーキやプリンなどの甘味食品、くだものなども、体内のコレステロールや中性脂肪を増やすので、とりすぎには注意してください。
 アルコールは、ビール大びん1本(633ml)、日本酒1合(180ml)程度であればHDLコレステロールを増やすといわれていますが、飲みすぎると中性脂肪が増える原因となります。
 また、喫煙はLDLコレステロールを増やして、HDLコレステロールを減らし、LDLコレステロールを酸化させる原因にもなるので、1日も早く禁煙するようにしましょう。

卵や牛乳・乳製品のとり方
 卵は多くの栄養素をバランスよく含み、ぜひとりたい食品です。ただし、コレステロールを多量に含むので、コレステロール値が高めの人は週3個程度を目安にとるようにしましょう。卵のコレステロールのほとんどは卵黄にあるので、卵白のみを食べるようにするのもおすすめです。
 牛乳はカルシウム不足の日本人にとって大切な食品です。コレステロールが気になるときは、低脂肪乳や無脂肪乳を選びましょう。

肉は部位と調理法に工夫
 肉類の動物性脂肪をとりすぎると血中のコレステロールや中性脂肪の量を増やし、肥満の原因にもなります。
 ただし、肉類は重要なたんぱく源です。一切食べないというのではなく、量を控えめにし、脂質の少ない部位を選び、調理に工夫をすれば、肥満を気にすることなく食べることができます。
 牛肉はももやヒレ、豚肉はヒレなど赤身の部分、鶏肉ならささ身を食べるようにします。また、脂質を減らし、エネルギー量を下げるために、網で焼いたり、ゆでたり蒸したり、フッ素樹脂加工のフライパンを利用するなど、肉の脂を抜き、調理油を使わない調理法を工夫してください。
 コレステロール値が高めの人は、レバーなどの内臓類や、ハムやベーコンなどの肉加工品は、避けたほうがよいでしょう。
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