ポケットメディカ 健康レシピ

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痛風対策は食習慣の見直しから
尿酸値を下げ、痛風やそのほかの合併症を予防するためには、食事の改善が欠かせません。食べすぎ、飲みすぎ、栄養バランスの悪い食事など、尿酸値の上昇を招く食習慣を見直し、少しずつでも改めていきましょう。
食べすぎ・飲みすぎを避けて栄養バランスのよい食事を
 尿酸値を下げる食事というと、極端に食事量を減らしたり、好きなものが食べられなくなったりするのではないかとおそれる人もいます。しかし実際は、食べすぎ・飲みすぎを避ける、偏食を改めて幅広い食品をとるなど、今までの食習慣を少し軌道修正するだけで尿酸値が下がることが少なくありません。食事の改善を行う前に、まず、日ごろの自分の食習慣を振り返り、何が尿酸値を上げる原因となっているのか、問題を探ることから始めましょう。
 食事で心がけたいポイントは次のとおりです。
●1日の適正エネルギー量を守る
●1日3食を規則正しくとる
●バランスよく栄養をとる
●脂質のとりすぎに注意する
●糖質のとりすぎに注意する
●プリン体を多く含む食品を食べすぎない
●アルコールを控える
●野菜や海藻を積極的にとる
●水分を十分にとる
 尿酸値を下げるには、このほかに、適度な運動を習慣にすること、ストレスを感じたら上手に気分転換することも大切です。激しい運動は尿酸値を高める危険因子の一つですが、ウオーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなど酸素をとり入れながらゆったりしたペースで行う運動(有酸素運動)は、肥満やストレスを解消し、痛風・高尿酸血症に合併するさまざまな生活習慣病の予防・改善にも有効です。できることから始めて、無理せず、気長にとり組んでいきましょう。

適正エネルギー量を守り肥満を解消する努力を
 痛風・高尿酸血症の人には肥満者が多く、肥満している人が減量すると、ほとんどのケースで尿酸値の低下が期待できます。
 肥満であるかどうかを知る方法の1つにBMI(体格指数)があります。
 BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
 この計算でBMIが25以上の人は肥満を解消する努力が必要です。
 肥満を招く大きな要因は、食べすぎによるエネルギーの過剰摂取です。そこで、自分にとっての適正エネルギー量がどれくらいなのか、つまり1日にどれだけ食べればよいのかを知ることが大切です。適正エネルギー摂取量は、健康な体重の目安とされる「標準体重」と日常の活動量である「身体活動量」から求めることができます(上囲み参照)。肥満ぎみの人は、後述の食事対策を参考にこのエネルギー量を守り、標準体重に近づけるよう努めましょう。
 ただし、急激なダイエットをすると、かえって尿酸値を上げたり、痛風発作を誘発したりする危険があるので注意が必要です。月に1~2kgペースで、少しずつ減量するようにしてください。

外食が多い人は栄養が偏りやすいので要注意
 外食の多い人はエネルギーの摂取過多になりやすく、脂質、糖質、塩分をとりすぎる一方で、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しやすいのが欠点です。これは、市販の弁当類や総菜類の利用が多い人にも当てはまります。
 外食では、丼物、めん類、カレーライスなどの単品よりも、主食、主菜、副菜がそろった定食を選ぶようにすると、栄養バランスが整いやすくなります。単品メニューのときは、野菜や海藻、豆類などを使った小鉢を追加して、不足している栄養素を補う工夫をしましょう。また、揚げ物や炒め物など油を多量に使ったメニューはなるべく避けること。全体の量が多いときは、思いきって残すことも必要です。
 メニューを選ぶときはエネルギー量をチェックする習慣をつけると、表示がない場合もおおよその見当がつくようになります。よくとるメニューは、食品のエネルギー量を示したガイドブックなどを参考に、目安量を頭に入れておくとよいでしょう。

動物性脂肪のとりすぎに注意食材選びや調理の工夫を
 脂質は栄養素のなかでもっともエネルギーが高く、とりすぎれば中性脂肪として蓄えられ、肥満の原因になります。とくに肉類に含まれる動物性脂肪は、血液中のコレステロールや中性脂肪の量を増やし、生活習慣病の原因になりやすいので注意が必要です。ただし、肉類は良質のたんぱく質やビタミン類の補給源でもあります。部位を選び、調理法を工夫して、適量をとるようにしましょう。
 肉は、牛肉や豚肉ならバラ肉やロース肉よりも赤身のもも肉やヒレ肉を、鶏肉なら胸肉やささ身を選ぶと、エネルギーが抑えられます。鶏もも肉の場合は、脂肪分の多い皮を取り除けば、エネルギーは約半分になります。ひき肉も、できるだけ赤身の多いものを選ぶようにしましょう。
 調理法では、グリルや網焼き、蒸し焼きが、肉の栄養素やうまみを残して余分な脂肪分を落とすことができるので、おすすめです。炒め物や揚げ物など油を使う調理では、強火で手早く火を通したほうが、油の吸収を少なく抑えられます。炒める場合、フッ素樹脂加工のフライパンを使えば少量の油ですみ、油を用いない調理も可能です。
 動物性脂肪のなかでも、さんまやいわし、さばなど青背魚の脂肪には、コレステロールのバランスを整えたり、血栓を防ぐ効果のあるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が多く含まれており、生活習慣病予防のために積極的にとりたい食品です。主菜は魚を中心にして肉も適度に登場させ、卵や大豆製品なども加えてバラエティーをもたせ、適量のたんぱく質をとるよう心がけましょう。

エネルギー源となる糖質も尿酸値を上げる原因に
 脂質と並んで重要なエネルギー源となる糖質(炭水化物)も、とりすぎれば脂肪として蓄積され、肥満の原因となります。糖質はいくつかの種類に分けられますが、くだものやはちみつ、砂糖などに含まれる果糖は中性脂肪に変わりやすく、体内で尿酸値を上昇させる働きもあるので、とくに制限が必要です。ビタミンCや食物繊維の補給源であるくだものは、りんごなら1日1個くらいを目安にとり、甘い菓子類や果汁入りのジュース、清涼飲料、缶コーヒーなどはできるだけ控えるようにしましょう。
 糖質のなかでも穀類やいも類に多いでんぷんなどの多糖類は、毎回の食事で適量をとるようにし、それにいろいろな食品をバランスよく組み合わせてください。

プリン体の多い食品は食べすぎなければ問題なし
 かつては尿酸値が高い人に対しプリン体の制限が厳しく指導されていましたが、現在はプリン体の摂取についてはあまり神経質になる必要はないと考えられるようになりました。プリン体のうち、食べ物や飲み物を通して体に入る量は全体の20~25%で、残りは体内でつくられるため、食べ物による影響はそれほど大きくありません。また、プリン体は細胞の構成成分なので、ほとんどすべての食品に含まれ、プリン体の制限にこだわると、体に必要な栄養素が不足してしまうおそれもあります。たとえば、さんまやいわしなどの青背魚はプリン体を比較的多く含みますが、健康のためには、ぜひとりたい食品です。
 とはいえ、尿酸値が高めの人や痛風発作をおこした人が、プリン体を多く含む食品を多量にとるのは問題です。「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では、プリン体の摂取量を1日400mg以内と定めています。プリン体は肉や魚など動物性食品に多く、とくにレバーや干物などに大量に含まれているので(上表参照)、これらの食品のとりすぎには注意しましょう。
 また、プリン体は水溶性なので、ゆでたり煮たりすれば、水に溶けて量が減ります。煮物や鍋物の場合は、プリン体の溶け出した汁を残すようにするとよいでしょう。
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