ポケットメディカ 健康レシピ
食事の基本は適量をバランスよく |
高血糖を改善するための食事療法は、けっして特別なものではありません。ふだんの食事でエネルギーと栄養のバランスに気をつければよいだけ。血糖値が気になる人に限らず、すべての人に勧められる健康的な食事法です。
食べてはいけないものはない重要なのは「量」と「食べ方」
血糖コントロールのための食事では、高血糖の大きな原因である肥満の予防と解消をめざします。基本的に食べてはいけない食品はなく、いつもの食事を「量」と「食べ方」に注意してとることが重要です。次のポイントを押さえて日ごろの自分の食生活を見直し、改善しましょう。
●適正エネルギー量を守る
●1日3食を規則正しくとる
●バランスよく栄養をとる
●脂質のとりすぎに注意する
●食物繊維を十分にとる
●腹八分目を心がける
●よくかみ、ゆっくり食べる
適正エネルギー量とは、1日にどれくらい食べてよいかの目安となるエネルギー量です。高血糖の人は自分ではそれほど食べていないつもりでも、知らず知らずのうちにエネルギー過多になっていることが少なくありません。「摂取エネルギー量」が、運動や生命維持などのために使われる「消費エネルギー量」を上回れば、余った分は脂肪として蓄積され、肥満を招くことになります。また、摂取エネルギー量が多いと、処理するブドウ糖の量も増えるので、それだけインスリンが必要になり、すい臓に負担をかけることにもなります。こうした事態を防ぐために、目安となるエネルギー量をきちんと知ることが重要です。
血糖コントロールのもう一つの柱が、運動です。定期的に運動することによって、筋肉などの各組織の細胞がブドウ糖を取り込む働きが高まり、血糖値を下げることができます。運動にはこのほかにも、①脂肪がエネルギー源として消費され、肥満を予防・改善する、②筋肉量が増えて基礎代謝(生命維持に必要なエネルギー)が上がり、太りにくい体質になる、③心臓や肺が強くなる、④血圧が下がる、⑤足腰が強くなる、⑥ストレスが解消される、など健康に役立つさまざまな効果があります。
血糖コントロールには、ウオーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など、酸素を取り込みながら行う「有酸素運動」が有効です。今まで運動をしてこなかった人は、少しでも多く歩くことから始めて、体を動かす機会を増やすようにしましょう。
総エネルギー量を3食にバランスよく配分する
上の計算式で1日の適正エネルギー量がわかったら、それを朝・昼・夕の3食に、なるべく均等に配分します。たとえば、総エネルギー量が1700kcalの人なら、朝食550kcal、昼食600kcal、夕食550kcalといったぐあいです。間食をとる場合は、その分を総エネルギー量から差し引いたうえで3分割し、トータルで適正エネルギー量内に収めるようにします。
血糖値は食事をとると上昇し、その後、インスリンの働きで徐々に下がり、ある一定の値に戻るようになっています。インスリンの働きを高めるには、このリズムをなるべく一定にすることが望ましいのです。リズムが乱れると血糖コントロールがうまくいかなくなります。
朝食抜き、昼は軽く、夕食でしっかり食べるといった食事スタイルは、血糖値が激しく上下するため、血糖コントロールにおいては避けたほうがよい食べ方です。3食を均等に、毎日できるだけ決まった時間にとるようにしましょう。
6つの食品グループから過不足なく栄養をとる
食事1回分のエネルギー量が決まったら、今度はそのなかで、栄養バランスを考えます。栄養バランスがよいというのは、炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった体に必要な栄養素を過不足なくとることです。
栄養素は体のなかでそれぞれ個別に働くのではなく、互いに影響し合って役割を果たします。そのため、減量したいからと主食を抜いたりしては、いくらビタミンやミネラルをとっても十分な効果を得ることができません。まず、主食をしっかりとったうえで、そのほかの栄養素を適量摂取することが大切です。
この際参考になるのは、厚生労働省作成の「6つの基礎食品群」(次ページの表)です。食品を栄養学的な役割から6つのグループに分けたもので、献立を考えるときに違うグループの食品を組み合わせれば、自然に栄養バランスのよい食事ができるようになっています。毎回の食事で各グループから最低1品をとるように心がけましょう。
食材選びや調理法で脂質カットを心がける
炭水化物(糖質)やたんぱく質の1g当たりのエネルギー量(4kcal)にくらべ、脂質はその2倍強(9kcal)。とり方に注意しないと、すぐにエネルギー過多になってしまいます。
とくに、重要なたんぱく源である肉や魚のとり方に気をつけましょう。肉は、バラ肉やロース肉よりも赤身のもも肉やヒレ肉を、鶏肉なら胸肉やささ身を選ぶとエネルギーが抑えられます。さんまやいわしなど青背魚の脂肪には、コレステロールのバランスを整えるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が含まれており、積極的に食べたい食品です。魚を中心に、肉も脂肪に配慮しながら献立に加え、適量のたんぱく質をとるよう心がけましょう。
調理では揚げる、炒めるなど油を使う調理よりも、焼く、蒸す、ゆでるといった調理法を選ぶと、脂質の摂取を少なく抑えることができます。炒め物にはフッ素樹脂加工のフライパンなどを使い、使用する油をできるだけ少なくしましょう。
血糖コントロールのための食事では、高血糖の大きな原因である肥満の予防と解消をめざします。基本的に食べてはいけない食品はなく、いつもの食事を「量」と「食べ方」に注意してとることが重要です。次のポイントを押さえて日ごろの自分の食生活を見直し、改善しましょう。
●適正エネルギー量を守る
●1日3食を規則正しくとる
●バランスよく栄養をとる
●脂質のとりすぎに注意する
●食物繊維を十分にとる
●腹八分目を心がける
●よくかみ、ゆっくり食べる
適正エネルギー量とは、1日にどれくらい食べてよいかの目安となるエネルギー量です。高血糖の人は自分ではそれほど食べていないつもりでも、知らず知らずのうちにエネルギー過多になっていることが少なくありません。「摂取エネルギー量」が、運動や生命維持などのために使われる「消費エネルギー量」を上回れば、余った分は脂肪として蓄積され、肥満を招くことになります。また、摂取エネルギー量が多いと、処理するブドウ糖の量も増えるので、それだけインスリンが必要になり、すい臓に負担をかけることにもなります。こうした事態を防ぐために、目安となるエネルギー量をきちんと知ることが重要です。
血糖コントロールのもう一つの柱が、運動です。定期的に運動することによって、筋肉などの各組織の細胞がブドウ糖を取り込む働きが高まり、血糖値を下げることができます。運動にはこのほかにも、①脂肪がエネルギー源として消費され、肥満を予防・改善する、②筋肉量が増えて基礎代謝(生命維持に必要なエネルギー)が上がり、太りにくい体質になる、③心臓や肺が強くなる、④血圧が下がる、⑤足腰が強くなる、⑥ストレスが解消される、など健康に役立つさまざまな効果があります。
血糖コントロールには、ウオーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など、酸素を取り込みながら行う「有酸素運動」が有効です。今まで運動をしてこなかった人は、少しでも多く歩くことから始めて、体を動かす機会を増やすようにしましょう。
総エネルギー量を3食にバランスよく配分する
上の計算式で1日の適正エネルギー量がわかったら、それを朝・昼・夕の3食に、なるべく均等に配分します。たとえば、総エネルギー量が1700kcalの人なら、朝食550kcal、昼食600kcal、夕食550kcalといったぐあいです。間食をとる場合は、その分を総エネルギー量から差し引いたうえで3分割し、トータルで適正エネルギー量内に収めるようにします。
血糖値は食事をとると上昇し、その後、インスリンの働きで徐々に下がり、ある一定の値に戻るようになっています。インスリンの働きを高めるには、このリズムをなるべく一定にすることが望ましいのです。リズムが乱れると血糖コントロールがうまくいかなくなります。
朝食抜き、昼は軽く、夕食でしっかり食べるといった食事スタイルは、血糖値が激しく上下するため、血糖コントロールにおいては避けたほうがよい食べ方です。3食を均等に、毎日できるだけ決まった時間にとるようにしましょう。
6つの食品グループから過不足なく栄養をとる
食事1回分のエネルギー量が決まったら、今度はそのなかで、栄養バランスを考えます。栄養バランスがよいというのは、炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった体に必要な栄養素を過不足なくとることです。
栄養素は体のなかでそれぞれ個別に働くのではなく、互いに影響し合って役割を果たします。そのため、減量したいからと主食を抜いたりしては、いくらビタミンやミネラルをとっても十分な効果を得ることができません。まず、主食をしっかりとったうえで、そのほかの栄養素を適量摂取することが大切です。
この際参考になるのは、厚生労働省作成の「6つの基礎食品群」(次ページの表)です。食品を栄養学的な役割から6つのグループに分けたもので、献立を考えるときに違うグループの食品を組み合わせれば、自然に栄養バランスのよい食事ができるようになっています。毎回の食事で各グループから最低1品をとるように心がけましょう。
食材選びや調理法で脂質カットを心がける
炭水化物(糖質)やたんぱく質の1g当たりのエネルギー量(4kcal)にくらべ、脂質はその2倍強(9kcal)。とり方に注意しないと、すぐにエネルギー過多になってしまいます。
とくに、重要なたんぱく源である肉や魚のとり方に気をつけましょう。肉は、バラ肉やロース肉よりも赤身のもも肉やヒレ肉を、鶏肉なら胸肉やささ身を選ぶとエネルギーが抑えられます。さんまやいわしなど青背魚の脂肪には、コレステロールのバランスを整えるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が含まれており、積極的に食べたい食品です。魚を中心に、肉も脂肪に配慮しながら献立に加え、適量のたんぱく質をとるよう心がけましょう。
調理では揚げる、炒めるなど油を使う調理よりも、焼く、蒸す、ゆでるといった調理法を選ぶと、脂質の摂取を少なく抑えることができます。炒め物にはフッ素樹脂加工のフライパンなどを使い、使用する油をできるだけ少なくしましょう。
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