ポケットメディカ健康相談

医者からもらった薬がわかる本
医者からもらった薬がわかる本
カ行

本書に掲載している薬用語,副作用のうち,聞き慣れないものを中心に解説しています。【初】=初発症状(初期に現れる症状)を示します。

■カ行

●潰瘍性大腸炎
かいようせいだいちょうえん
大腸粘膜が炎症をおこしてただれ,びらんや潰瘍(かいよう)を形成する原因不明の慢性炎症性腸疾患。多くはよくなったり悪くなったり(緩解(かんかい)と再燃)を繰り返す。
【初】粘液性の下痢,腹痛,全身がだるい,下血
●角膜潰瘍
かくまくかいよう
角膜は眼球正面の透明組織。角膜上皮欠損に続いて角膜実質にも濁ったり,薄くなったりといった影響が出ている場合は角膜潰瘍(かいよう)という。外傷,感染,アレルギー,角膜の知覚神経障害などが原因になる。治ったあとも視力障害を残す。
【初】目が痛い,ものが見えにくくなる,涙が出る,目の充血
●角膜真菌症
かくまくしんきんしょう
真菌(カビ)が角膜に感染しておこす炎症。コンタクトレンズ装用,木の枝や稲穂などでの突き目が原因となるほか,☆ステロイド★▼後出▼の長期点眼者などに発症しやすい。
【初】目の中の異物感,目の痛み,涙が出る,まぶしい,まぶたの腫れ,目の充血
●角膜・水晶体の混濁
かくまく・すいしょうたいのこんだく
角膜混濁は角膜の炎症,角膜変性症などで生じる透明度の低下。また,水晶体の中に不溶性蛋白質が増加したり,蛋白質の変性により光の透過性をさまたげると混濁を生じる。水晶体の混濁で視力が低下すると白内障と診断される。
【初】目の充血,ものが見えにくくなる,まぶしい
●角膜ヘルペス
かくまくへるぺす
原因となる単純ヘルペスウイルスには知らない間に感染していることが多く,体のどこかの神経節にこのウイルスが潜伏している。角膜ヘルペスには,ウイルスが角膜の表面の上皮で増える上皮型と,角膜の混濁を生じる実質型がある。
【初】目の中の異物感,目の痛み,涙が出る,まぶしい,まぶたの腫れ,ぼんやりして見えにくい
●過敏性血管炎
かびんせいけっかんえん
細動脈,毛細血管,細静脈など主に小血管を侵す。異物に対する免疫関連性の血管炎。血管壁の壊死(えし)(死滅),赤血球の血管外漏出をもたらす。原因としては薬剤が最も多い。
【初】足やお尻や背中に紫紅色のあざやしこりができる,出血して潰瘍(かいよう)になることもある,筋肉痛や発熱
●顆粒球減少症
かりゅうきゅうげんしょうしょう
白血球のうち,顆粒球(かりゅうきゅう)(好中球,好酸球,好塩基球)の数が減っている状態。骨髄での産生低下が薬剤に起因することも多い。顆粒球は体内に進入した細菌や異物を取り込み,消化分解して体を守っているので,顆粒球が減少すると重症感染症にかかる危険が高まる。
【初】原因不明の発熱・悪寒・のどの痛み,手足の紫斑(あざ)や点状出血,全身脱力感,歯や鼻の出血,口内炎
●カルシウム拮抗薬
かるしうむきっこうやく
細胞内へのカルシウムの流入を減少させる薬の総称。血管平滑筋を弛緩させ血圧を下降させる。また,心臓の冠状動脈を拡張し心筋への血流を増加させる作用もあり,高血圧や循環器領域の疾患に広く用いられる。
●眼圧亢進
がんあつこうしん
眼のなかには血液の代わりとなって栄養などを運ぶ房水が流れていて,その量が眼圧を決めている。21mmHgを超えると高眼圧という。眼圧が高くなると視神経が障害を受け,視機能障害をきたした状態を☆緑内障★▼後出▼という。
【初】明かりに虹がかかる,目がかすんだりにじんだりする,まぶしい,頭痛,目が痛む
●肝炎・肝機能障害
かんえん・かんきのうしょうがい
肝炎の原因は肝炎ウイルスによるものが多いが,それ以外のウイルスによる肝炎もあり,アルコール性肝障害,薬物性肝障害なども肝炎による肝機能障害の症状を示すことがある。
【初】皮膚や白目が黄色くなる,疲れやすい,食欲がない,体にかゆいぶつぶつができる
●肝機能異常
かんきのういじょう
肝臓は,栄養分の代謝,各種生体物質の合成と分解,有害物質の解毒,胆汁の生産など,きわめて多くの化学反応を行う臓器で,肝細胞障害などにより全身的な代謝障害が生じる。
【初】発熱,倦怠感,皮膚や白目が黄色くなる,食欲不振
●間欠性跛行(はこう)
かんけつせいはこう
下肢に血行障害や神経圧迫がある際の症状。しばらく歩くと虚血(きょけつ)性筋痛と筋力低下により歩行困難となり,休むと回復するが,再び歩き始めると歩行困難になる状態が繰り返される。
●肝硬変
かんこうへん
慢性肝炎が治癒しないで,肝細胞の壊死(えし)(死滅)と炎症,再生が繰り返しおこり,肝臓全体が線維化により萎縮し,小さく岩のように硬くなることからこの名前がつけられている。症状の乏しい初期から肝臓が機能しなくなる☆肝不全★▼後出▼に陥る状態まで,臨床的には多様な病状を示す。
【初】発熱,倦怠感,皮膚や白目が黄色くなる,食欲不振
●間質性腎炎
かんしつせいじんえん
間質とは,臓器固有の機能を果たす実質細胞のすき間を埋める結合組織をいう。一般に腎炎とは☆糸球体(しきゅうたい)腎炎★▼後出▼を指すが,間質性腎炎は糸球体以外の腎構成要素である尿細管(にょうさいかん)や間質に炎症性病変がおこる。尿路感染症や薬剤によるものが多い。
【初】発熱,食欲不振,関節痛,全身のだるさ,尿のにごり,吐きけや下痢
●間質性肺炎
かんしつせいはいえん
間質とは,臓器固有の機能を果たす実質細胞のすき間を埋める結合組織をいう。肺の間質(肺胞壁)に主として炎症をおこした肺炎。感染性のほか,膠原病(こうげんびょう)性,薬剤性,腫瘍性,原因不明のものなど,病因の異なるさまざまな病気の総称として用いる。
【初】発熱,空せき,息切れ,呼吸困難
●関節リウマチ
かんせつりうまち
関節の内面をおおっている滑膜(かつまく)に炎症がおこり,進行すると軟骨・骨が壊れていく病気。目や口の乾きなど涙腺や唾液腺,さらに皮膚,肺などの関節外臓器の症状を伴うこともあり,膠原病(こうげんびょう)のひとつとして位置づけられる。
【初】手足のこわばり(早朝),微熱,疲れ,関節の痛み・ふくれ・熱感
●完全房室ブロック
かんぜんぼうしつぶろっく
心臓内部で電気的刺激の伝導が遅延したり途絶することを伝導ブロックという。心房→心室間の伝導ブロックを☆房室ブロック★▼後出▼といい,刺激がまったく心室に伝わらない完全房室ブロックでは,予備の刺激中枢から発生する刺激により心室が興奮する。ペースメーカー植え込みが必要となる場合がある。
【初】動悸,胸部の痛み・不快感,めまい,脈が跳ぶ,失神
●甘草
かんぞう
マメ科カンゾウの乾燥根を生薬に用いる。抗消化性潰瘍作用,鎮咳作用,鎮痙(ちんけい)作用などがあり,漢方処方に高頻度で配合される。なお,☆偽(ぎ)アルドステロン症★▼後出▼という病気があり,これは多くの場合,甘草を含む漢方薬が原因になっている。
●冠動脈れん縮
かんどうみゃくれんしゅく
心筋に動脈血を供給する血管が冠動脈で,冠動脈の一部に異常収縮(けいれん)がおこること。収縮によって冠動脈の血流が減少または停止すると,胸部圧迫感を伴った胸痛が現れる。
【初】胸が圧迫される感じ・しめつけられる感じ,胸が痛む
●肝不全
かんふぜん
肝臓の機能障害が進行して生体機能を果たせなくなった状態。意識障害(肝性脳症または肝性昏睡)をはじめ,☆黄疸(おうだん)★▼前出▼,腹水,☆出血傾向★▼後出▼,消化管出血,腎不全,呼吸不全などさまざまな症状が出現する。
【初】発熱,倦怠感,皮膚や白目が黄色くなる,食欲不振
●偽アルドステロン症
ぎあるどすてろんしょう
アルドステロン症は,副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイドホルモンのひとつであるアルドステロンの分泌が過剰になるためにおこる病気で,☆低カリウム血症★▼後出▼,浮腫(むくみ),高血圧を現す。アルドステロン症とまったく同じ症状を示すにもかかわらず,アルドステロンの分泌過剰がない病態を偽(ぎ)アルドステロン症という。
【初】手足のしびれ・つっぱり感,脱力感,疲れやすい,筋肉痛,血圧上昇による頭痛,むくみ,体重増加
●気管支閉塞
きかんしへいそく
気管支分泌物や異物などによる閉塞,あるいは炎症や腫瘍による狭窄性(きょうさくせい)病変によって気道がふさがり,呼吸困難と☆低酸素血症★▼後出▼を呈する。
【初】たんがつまった感じ,肩で息をする,呼吸がヒューヒューする
●偽膜性大腸炎
ぎまくせいだいちょうえん
大腸粘膜に好中球・リンパ球などの炎症性細胞,繊維素,壊死(えし)組織などからなる,黄白色の偽膜(ぎまく)と呼ばれる層を形成する。☆抗菌薬★▼後出▼投与後に腸管細菌叢(そう)が変化することによってクロストリジウム・ディフィシレ菌が増殖し,その菌毒素によって発生する。
【初】頻回の軟便・水様便,発熱,吐きけ,腹の張り
●急性腎不全
きゅうせいじんふぜん
老廃物の排泄,水・電解質調節,酸塩基平衡維持などの腎機能が急速に低下した状態。腎臓自体が障害されたためにおこる腎性腎不全では,腎臓自体の病気のほか,薬剤投与,造影検査,手術などの医療行為が原因となることが少なくない。
【初】手足のむくみ,赤褐色の尿,嘔吐,下痢,関節痛,倦怠感
●急性膵炎
きゅうせいすいえん
膵臓で産生・貯蔵された消化酵素が,何らかの原因で活性化され,膵臓の内部および周囲を自己消化することによって炎症と障害が引きおこされる病気。
【初】激しい腹痛,みぞおちの痛み,背中の痛み,吐きけ・嘔吐
●狭心症
きょうしんしょう
一過性の心筋虚血(きょけつ)による胸痛発作を主とした症候名。動脈硬化や☆冠動脈れん縮★▼前出▼で血管内腔が狭くなることにより,心筋に十分な血流・酸素が送り込めない時に胸の痛みがおこる。
【初】胸が圧迫される感じ・しめつけられる感じ,胸が痛む
●胸膜(または肺)の線維性変化
きょうまく(またははい)のせんいせいへんか
臓器組織の一部に線維成分が増加することを線維化という。胸膜自体の炎症のため,あるいは肺の炎症が波及した結果,胸膜が線維化をおこすのが胸膜線維化。肺の線維化を示す病態には☆肺線維症★▼後出▼があり,いずれも臓器本来の機能が果たせなくなる病的状態。
【初】せき,たんが出る,運動の後の呼吸困難
●虚血性腸炎
きょけつせいちょうえん
腸管への血液の循環が悪くなり,必要な酸素や栄養分が供給されなくなるために,腸管が虚血(きょけつ)となり炎症や潰瘍(かいよう)を生じる疾患。短期間に改善する一過性型,腸管の変形や狭窄(きょうさく)をきたす狭窄型と,予後不良の壊死(えし)型に分類される。
【初】頻回の下痢・水様便,吐きけ,腹痛,便に血液が混じる
●経皮吸収製剤
けいひきゅうしゅうせいざい
薬剤の全身投与の経路として皮膚から吸収されるように作られた薬剤。消化管障害をおこしやすい薬物,徐々に長時間にわたって吸収させたい薬物などの投与に用いる。
●けいれん
けいれん
発作的におこる不随意な骨格筋の収縮。運動神経の過剰興奮や,筋自体の被刺激性の亢進が原因となる。
【初】めまい,ふらつき感,手足のしびれやひきつれ,頭痛,ふるえ,一時的な意識喪失
●劇症肝炎
げきしょうかんえん
急性肝炎のなかでも特に重症のもので,高度の肝機能障害に基づいて意識障害(肝性脳症または肝性昏睡)を示すものをいう。
【初】発熱,倦怠感,皮膚や白目が黄色くなる,食欲不振(初期症状は通常の経過をたどる急性肝炎と変わらない)
●劇薬
げきやく
致死量が少量で,☆毒薬★▼後出▼に次いで危険性の高いものとして薬事法に基づいて指定された薬物。
●血管浮腫
けっかんふしゅ
血管運動神経の局部的な興奮により皮下や粘膜下に出現する浮腫(むくみ)。薬疹(やくしん)がじん麻疹あるいは血管浮腫として現れることがある。血管神経性浮腫ともいう。
【初】顔・唇・首・まぶたなどのむくみ,発声困難,呼吸が苦しい
●血小板機能低下
けっしょうばんきのうていか
血小板は血球の一種で,出血に際して止血血栓を形成して止血を促進する。血栓形成は,血小板の粘着・凝集機能が主となって進行する。血小板機能低下では出血時間が延長することになる。
【初】出血が止まりにくい,ちょっと打っただけであざができる,鼻血,歯肉出血
●血小板減少症
けっしょうばんげんしょうしょう
血小板の主な機能は止血促進にあるので,産生能の低下,破壊亢進などで血小板が減少すると☆出血傾向★▼後出▼を示す。
【初】歯や鼻の出血,手足の点状出血や紫斑(あざ)
●血小板減少性紫斑病
けっしょうばんげんしょうせいしはんびょう
血小板減少により☆出血傾向★▼後出▼をきたし,皮膚や粘膜に紫斑(あざ)が多発する病気。
【初】皮膚の出血斑・点状出血,歯肉出血,鼻血,性器出血
●血栓症
けっせんしょう
血管内に生じた血液の固まりを血栓といい,血小板,フィブリン(線維素),赤血球,白血球からなる。血管内皮の損傷部位などに生じた血栓が剥離(はくり)すると末梢血管を塞栓(そくせん)し,また,血栓が大きくなると血管内腔の狭窄(きょうさく)や閉塞を引きおこす。
【初】嘔吐・吐きけ,頭痛,ものがかすんだり二重に見える,ろれつが回らない,下肢の痛み・むくみ・しびれ
●血栓性血小板減少性紫斑病(=TTP)
けっせんせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう(=てぃーてぃーぴー)
全身の細血管に血小板血栓が生じることにより,消耗性血小板減少による☆出血傾向★▼後出▼をはじめ,多彩な症候をきたす重篤な疾患。病態は,①斑状出血が多発する☆血小板減少性紫斑病★▼前出▼症状に加えて,②☆溶血性貧血★▼後出▼,③脳内微小血栓による精神神経症状,④発熱,⑤腎臓内血栓による腎機能障害の5つの症状を特徴とする。
【初】皮膚の出血斑・点状出血,歯肉出血,鼻血
●血栓性静脈炎
けっせんせいじょうみゃくえん
静脈壁の炎症が一次的に存在し,そこに二次的に血栓を伴うもの。炎症部位での疼痛,腫脹,浮腫(むくみ)の症状がある。静脈血栓は下肢に発生しやすい。
【初】足の静脈が腫れる,足に痛みがある,歩くと痛みを感じる
●抗アレルギー薬
こうあれるぎーやく
Ⅰ型アレルギー(即時型)の発現を阻害する働きをもつ薬。ぜんそく,アレルギー性鼻炎,アレルギー性皮膚炎などに用いられる。
●抗菌薬
こうきんやく
微生物が産生し他の微生物の発育や増殖を抑制する化学物質を,当初,抗生物質と呼んだが,その後合成による抗生物質が多数開発され,それらを総称して抗菌薬や抗菌製剤と呼んでいる。
●抗コリン薬
こうこりんやく
神経伝達物質のひとつである☆アセチルコリン★▼前出▼と拮抗して副交感神経の刺激効果を遮断する薬物をいう。外分泌腺からの分泌を抑制し,口渇,嚥下(えんげ)困難,胃酸減少が生じる。また,気管,消化管,胆管,尿管などの平滑筋の緊張を低下させる作用などがある。
●好酸球性肺浸潤(PIE症候群)
こうさんきゅうせいはいしんじゅん(ぴーあいいーしょうこうぐん)
白血球の顆粒球(かりゅうきゅう)のうち,好酸球が肺に浸潤する肺炎。☆好酸球増多★▼後出▼を伴わないこともある。アレルギーが関与していると考えられる一方,原因不明なことが少なくない。
【初】発熱,せき,たん,息切れ,呼吸困難,全身のだるさ
●好酸球増多症
こうさんきゅうぞうたしょう
白血球の顆粒球(かりゅうきゅう)のうち,好酸球が増加した状態。消化器,心臓,肺,中枢神経系など臓器障害の原因となることがある。医原性の好酸球増多は薬物,放射線照射後,腎透析に伴ってみられることがある。
【初】食欲不振,下痢,夜間のせき,じん麻疹
●甲状腺クリーゼ
こうじょうせんくりーぜ
甲状腺ホルモンが過剰になり,頻脈(ひんみゃく),発汗,体重減少などの症状を示す場合を甲状腺中毒症という。甲状腺クリーゼは甲状腺中毒症が急激に悪化し,複数臓器が機能不全になり,生命の危機に直面した状態。
【初】急激な高熱,脈が速くなる,汗が流れるように出る,いらいら感や不安
●抗精神病薬
こうせいしんびょうやく
向精神薬(中枢神経系に作用して精神機能に影響を及ぼす薬物)のうち,統合失調症など精神病性障害を治療する薬物をいう。
●抗生物質
こうせいぶっしつ
微生物が産生し他の微生物の発育や増殖を抑制する化学物質を,当初,抗生物質と呼んだが,その後合成による抗生物質が多数開発され,それらを総称して抗菌薬や抗菌製剤と呼んでいる。
●好中球減少症
こうちゅうきゅうげんしょうしょう
白血球の顆粒球(かりゅうきゅう)(好中球,好酸球,好塩基球)のうち,好中球が減っている状態。骨髄での産生低下が薬剤に起因することも多い。好中球をはじめとする顆粒球は体内に進入した細菌や異物を取り込み,消化分解して体を守っているので,好中球が減少すると重症感染症にかかる危険が高まる。
【初】原因不明の発熱・悪寒・のどの痛み,手足の紫斑(あざ)や点状出血,全身脱力感,歯や鼻の出血,口内炎
●後のう白内障
こうのうはくないしょう
白内障を水晶体の混濁部位で分類した時のひとつ。水晶体核のまわりにある皮質の後ろ側が濁るもの。ステロイド白内障でみられる。
【初】ものがかすんで見える,視力が低下する
●紅皮症(=剥脱性皮膚炎)
こうひしょう(=はつだつせいひふえん)
ほぼ全身の皮膚が潮紅し,皮膚表面の角質がはがれ落ちる落屑(らくせつ)を伴う皮膚病。皮膚炎に続発するもの,乾癬(かんせん)など各種皮膚病が全身に広がって紅皮症になるもの,薬疹(やくしん)に続発するものなどがある。
【初】発熱,全身(特に顔)の発疹と落屑(皮膚がぼろぼろと落ちる),悪寒,全身のだるさ
●抗ヒスタミン薬
こうひすたみんやく
ヒスタミンと結合する細胞膜表面の受容体(細胞が特定の化学物質と結合するための構造)にはH1とH2があり,ヒスタミンH1受容体に対してヒスタミンと拮抗する薬。H1受容体を介するⅠ型アレルギー反応(即時型)を抑制するので,鼻アレルギー,じん麻疹などの治療に用いる。副作用としての眠けがよく知られている。
●抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(=SIADH)
こうりにょうほるもんふてきごうぶんぴつしょうこうぐん(=えすあいえーでぃーえいち)
腎臓での水の再吸収を促進する抗利尿ホルモン(ADH)の分泌過剰のため,血管内の水分が増え☆低ナトリウム血症★▼後出▼が生じる病態。血中ナトリウム低下の程度により意識障害をおこす。
【初】嘔吐・吐きけ,頭痛,めまい,全身倦怠感,昏睡(こんすい),けいれん
●骨髄機能抑制
こつずいきのうよくせい
骨髄は骨の内部にあり,造血に関わる組織。骨髄では絶え間なく血液細胞の産生が行われ,白血球,赤血球および血小板を供給している。この骨髄での正常の血球細胞の産生が障害される状態をいう。
【初】めまい,耳鳴り,息切れ,疲れやすい,動悸,歯肉出血,鼻血,紫斑(あざ)
●骨頭無菌性壊死
こっとうむきんせいえし
骨への血行が阻害されておこる骨壊死(こつえし)で,大腿骨頭に最も多くみられる。虚血(きょけつ)の原因となる病気がない特発性の場合は,アルコール多飲や☆ステロイド★▼後出▼投与が危険因子となる。
【初】歩行時や起立時の腰・臀(でん)部・太もも・ひざの痛み
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