ポケットメディカ健康相談

医者からもらった薬がわかる本
医者からもらった薬がわかる本
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本書に掲載している薬用語,副作用のうち,聞き慣れないものを中心に解説しています。【初】=初発症状(初期に現れる症状)を示します。

■ア行

●アカシジア
あかしじあ
静かに座っていることができない,動かずにはいられないと訴える状態。☆抗精神病薬★▼後出▼の副作用として現れることがある。静座不能。
●悪性症候群(=シンドロームマリン)
あくせいしょうこうぐん(=しんどろーむまりん)
突然に高熱を発して筋肉が硬直し,意識障害をおこすこともある☆抗精神病薬★▼後出▼の最も重篤な副作用。
【初】発熱,筋肉のこわばり,言葉や動きが少なくなる,発汗,脈が速くなる,ものが飲み込みにくくなる,手足のふるえ,血圧の変動
●アスピリンぜんそく
あすぴりんぜんそく
アスピリンなどの☆NSAID★(エヌセッド:非ステロイド系解熱鎮痛薬)▼後出▼で誘発されるぜんそく。重い発作になる傾向がある。
【初】たんがつまった感じ,肩で息をする,呼吸がヒューヒューする
●アセチルコリン
あせちるこりん
神経伝達物質のひとつ。アセチルコリンの合成が低下したり,受け取り細胞側のアセチルコリン受容体に障害がおこることで,筋細胞では運動が阻害され,神経細胞では刺激伝達が阻害される。
●アドレナリン
あどれなりん
副腎髄質から分泌されるホルモン。アドレナリン製剤は,強心,血圧上昇,気管支拡張,血糖上昇など交感神経興奮薬として作用する。
●アナフィラキシー
あなふぃらきしー
重症で致命的な全身に及ぶ急性の過敏性反応をいう。アナフィラキシーは医薬品自体によって引きおこされることもあり,投与後多くの場合は30分程度で症状が現れる。早期には,発赤などの皮膚症状,腹痛・嘔吐などの消化器症状,息苦しさなどの呼吸器症状,動悸などの循環器症状,視覚異常などの眼症状が,同時または引き続いて複数臓器に現れ進行する。顔面蒼白,意識混濁などのショック症状(☆アナフィラキシーショック★▼後出▼)に至ることもある。
【初】顔が赤くなったりかゆくなる,口の中の異常感,くしゃみ・せき,便意・尿意,しびれ感,吐きけ・嘔吐
●アナフィラキシーショック
あなふぃらきしーしょっく
アナフィラキシー反応をおこしているときに,さらに血圧低下が急激におこり意識障害や呼吸困難などを呈すること。生命の維持上危険な状態である。
【初】顔が赤くなったりかゆくなる,口の中の異常感,くしゃみ・せき,便意・尿意,しびれ感,吐きけ・嘔吐
●アヘンアルカロイド
あへんあるかろいど
阿片に含まれるアルカロイド(塩基性植物成分)。モルヒネ,ナルコチン,パパベリンなどがあり,鎮痛,鎮咳,鎮痙(ちんけい)などの薬効を利用する。
●アルミニウム骨症
あるみにうむこつしょう
骨組織へのアルミニウムの沈着によってカルシウムの組み込みが低下した骨軟化症。アルミニウムの体内供給・排泄のバランスがくずれやすい血液透析患者に生じることが多い。
【初】骨痛,骨折しやすい
●アルミニウム脳症
あるにみにうむのうしょう
アルミニウムが脳内に蓄積しておこる脳障害。長期に血液透析を受けている患者に多くみられることから透析脳症とも呼ばれる。
【初】もの忘れ,言葉が出てこない,軽い認知症症状。
●アレルギー性肺炎
あれるぎーせいはいえん
カビ,有機粉塵の反復吸入によっておこる☆間質性肺炎★▼後出▼。日本では春から秋にかけ,家屋の中のカビを原因とすることが多く,夏型過敏性肺炎とも呼ばれる。酪農や鳥飼育など職業性のものも知られる。薬剤アレルギーの結果としてもおこる。
【初】発熱,せき・たん,息切れ,呼吸困難
●安静狭心症
あんせいきょうしんしょう
身体的な労作・ストレスが誘因でおこる労作狭心症に対比して,労作・ストレスに関係なくおこる胸痛発作。☆冠動脈れん縮★▼後出▼によっておこる異型狭心症は夜間・明け方に多く,冠動脈内の血栓形成により血管内腔が狭くなって生じる不安定型狭心症は心筋梗塞へと進展する可能性が高い。
【初】安静時や睡眠時に胸のしめつけられる感じや痛みなどが30分以上続いたり,気を失ったりする
●意識喪失
いしきそうしつ
意識の清明さ(覚醒)の障害にはさまざまな程度があり,意識レベルの高度な低下を指す。完全に意識を失った状態を昏睡(こんすい),一過性の場合を失神という。意識障害という場合には意識の清明さの低下と,認識機能(思考,判断,記憶などの能力)の障害,せん妄など意識の変容が含まれる。
【初】めまい,ふらつき感,脱力感,ぼーっとする
●胃・十二指腸潰瘍
い・じゅうにしちょうかいよう
胃や十二指腸の粘膜に炎症を生じ,潰瘍(かいよう)を形成したもの。主な原因はピロリ菌の慢性感染と,薬剤とくに☆NSAID★(エヌセッド:非ステロイド系解熱鎮痛薬)▼後出▼の服薬があげられている。
【初】吐きけ・嘔吐,胸やけ,胃のつかえ・痛み,便に血が混じる
●依存性
いぞんせい
精神作用物質には依存性があり,依存症をおこす薬物には☆麻薬★▼後出▼,覚醒剤,アルコールのほかにも,解熱鎮痛薬,睡眠薬,向精神薬などがある。
【初】薬がないと不安・眠れない・落ち着かない
●イレウス(様症状)〔=腸閉塞〕
いれうす(ようしょうじょう)〔=ちょうへいそく〕
小腸や大腸で腸内容物が詰まり,通過しなくなった状態。腸が圧迫されたりねじれたりしておこるものと,腸管の運動障害によっておこるものとがある。激しい腹痛と吐きけ・嘔吐がおこり,発汗・頻脈(ひんみゃく)・顔面蒼白などの症状を伴うことが多い。
【初】腹が張った感じ,吐きけ,腹痛,頑固な便秘
●インクレチン
いんくれちん
食後血糖上昇時に腸管から分泌され,インスリン合成と放出を促進する消化管ホルモン。このインクレチンを分解してしまう酵素の働きを阻害してインスリン量を増やす薬が,糖尿病薬として利用される。
●インターフェロン
いんたーふぇろん
ウイルスに感染した細胞でつくられる,ウイルス増殖抑制物質。生物工学的に大量生産することが可能になり,抗ウイルス効果や免疫賦活作用を応用してウイルス性疾患や,がんのインターフェロン治療(INF治療)に使用される。
●うっ血性心不全
うっけつせいしんふぜん
血液を送りだす心臓のポンプ機能が低下して肺にうっ血し,あるいは全身への血流が滞るために,呼吸困難,肝腫大(しゅだい),浮腫(むくみ),乏尿(ぼうにょう)など全身の諸臓器に障害がおこる。
【初】動悸,息切れ,全身のむくみ,呼吸困難
●うつ状態
うつじょうたい
強い憂うつ感が長く続く状態。精神症状だけでなく,思考障害,睡眠・食欲・性欲などの自律神経系異常,頭重感・心悸亢進・筋肉痛などの身体症状などが集合した状態。
【初】なんとなくもの悲しい,気分が沈む,物事に集中できない,いらいらする,朝の目覚めが早い,寝つきが悪い
●H2ブロッカー
えいちつーぶろっかー
ヒスタミンと結合する細胞膜表面の受容体(細胞が特定の化学物質と結合するための構造)にはH1とH2があり,ヒスタミンH2受容体に対してヒスタミンと拮抗する薬。胃酸分泌を促進するヒスタミンの作用を抑制する。胃・十二指腸潰瘍の治療に用いる。
●ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)
えーあーるびー(あんじおてんしんつーじゅようたいきっこうやく)
強力な昇圧物質であるアンジオテンシンⅡの受容体(細胞が特定の化学物質と結合するための構造)に作用して結合を阻害し,アンジオテンシンⅡによる血管収縮作用を抑制することで血圧を降下させる薬。アンジオテンシンⅡは,主に細動脈の平滑筋を収縮させて血圧を上昇させる。
●ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
えーしーいーそがいやく(あんじおてんしんへんかんこうそそがいやく)
アンジオテンシンⅠを,強力な昇圧物質であるアンジオテンシンⅡに変換させる酵素(ACE)の働きを阻害して,血圧を降下させる薬。
●AVブロック(=房室ブロック)
えーぶいぶろっく(=ぼうしつぶろっく)
心臓内部で電気的刺激の伝導が遅延したり途絶することを伝導ブロックという。心房→心室間の伝導ブロックを房室ブロックといい,重症度によって徐脈(じょみゃく)(心拍数が減少)が現れ,脈拍数を増やす治療が必要になる。
【初】動悸,胸部の痛み・不快感,めまい,脈が跳ぶ,失神
●壊死性血管炎
えしせいけっかんえん
血管壁に壊死(えし)(組織の一部の死滅)と炎症を示す全身性疾患の総称。多発動脈炎,アレルギー性肉芽腫性(にくげしゅせい)血管炎などが含まれる。
【初】下肢をちょっと打っただけであざができる,全身がだるい,尿が赤くなる,熱が出る
●壊死性腸炎
えしせいちょうえん
広範囲な腸管に出血や壊死(えし)(組織の一部の死滅)がおこる腸炎。腸穿孔(せんこう),腹膜炎,☆敗血症★▼後出▼に進行する。
【初】頻回の下痢・水様便,吐きけ,腹痛,便に血液が混じる
●SIADH(=抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)
えすあいえーでぃーえいち(=こうりにょうほるもんふてきごうぶんぴつしょうこうぐん)
腎臓での水の再吸収を促進する抗利尿ホルモン(ADH)の分泌過剰のため,血管内の水分が増え☆低ナトリウム血症★▼後出▼が生じる病態。血中ナトリウム低下の程度により意識障害をおこす。
【初】嘔吐・吐きけ,頭痛,めまい,全身倦怠感,昏睡(こんすい),けいれん
●SSRI
えすえすあーるあい
選択的セロトニン再取り込み阻害薬。☆セロトニン★▼後出▼は神経伝達物質のひとつ。☆三環系抗うつ薬★▼後出▼の作用のうちセロトニン再取り込み阻害作用だけを持たせ,脳内の他の受容体に作用しないことで安全性を高めている。
●SNRI
えすえぬあーるあい
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬。神経伝達物質である☆セロトニン★▼後出▼と☆ノルアドレナリン★▼後出▼の両方の再取り込み阻害作用を有し,☆SSRI★▼前出▼と同様に,他の脳内受容体には作用しない抗うつ薬。
●SLE(様症状)〔=全身性エリテマトーデス〕
えすえるいー(ようしょうじょう)〔=ぜんしんせいえりてまとーです〕
皮膚,腎臓,造血器,神経,関節などさまざまな臓器で炎症を引きおこす慢性疾患。膠原病(こうげんびょう)のひとつ。症状は発熱,全身性紅斑,関節痛を主に,腎障害,神経障害など多彩。薬剤起因性では,腎臓や中枢神経など重要臓器障害は少なく,関節炎,筋症状,漿膜(しょうまく)(胸膜,心膜,腹膜を構成する膜)炎をおこすことが多い。
【初】関節の腫れや痛み,発熱,疲れやすい,顔に蝶のような形の赤み,リンパ節の腫れ
●NaSSA
えぬえーえすえすえー
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬。従来の抗うつ薬が☆セロトニン★▼後出▼や☆ノルアドレナリン★▼後出▼など神経伝達物質の神経細胞内への再取り込みを阻害して神経接合部(シナプス)での濃度を上げるのに対して,脳内のセロトニン,ノルアドレナリンの遊離量を増やす新しい作用機序に基づく。
●NSAID(エヌセッド)
えぬせっど
非ステロイド系解熱鎮痛薬。ステロイド系抗炎症薬以外の消炎薬の総称。古典的な解熱鎮痛薬としてアスピリンがエヌセッドに含まれる。非ステロイド系といっても胃・十二指腸潰瘍(かいよう)や腎障害,肝障害など副作用も多い。
●黄体ホルモン
おうたいほるもん
排卵後,卵巣に残された卵胞(卵子を入れる袋のようなもの)は内膜細胞が増殖して黄色を呈する組織となる。これが黄体で,プロゲステロンというホルモンを分泌し,子宮内膜を「分泌期」に変化させて妊娠準備状態をつくる。妊娠維持,排卵抑制,乳腺発育などプロゲステロンと同様の作用をもつ化合物を黄体ホルモンと総称している。
●黄疸
おうだん
血液中にビリルビンが増加して皮膚や粘膜が黄色く見える状態。ビリルビンは老廃赤血球が分解される過程でつくられ,肝臓から胆道を経て腸から便中に排泄されている。したがって,赤血球や肝細胞が急に壊された時や,胆道の流通障害などで黄疸(おうだん)はよく現れる。
【初】皮膚や白目が黄色くなる,疲れやすい,発熱,食欲不振,吐きけ
●横紋筋融解症
おうもんきんゆうかいしょう
骨格に付く筋肉は横紋が見られることから横紋筋(おうもんきん)とも呼ばれる。この骨格筋細胞の融解や壊死(えし)(死滅)が急激におこり,筋成分が血中に流入する病態。腎尿細管(にょうさいかん)を閉塞して☆急性腎不全★▼後出▼をおこすことがある。
【初】全身の筋肉が痛んだりこわばったりする,尿の色が赤褐色になる,全身がだるい,CK(クレアチンキナーゼ)が高値になる
●OTC薬
おーてぃーしーやく
薬店でカウンター越し(Over The Counter)に処方箋なしで買える薬。要指導医薬品と一般用医薬品(リスクに応じて第1〜3類に分類)がある。要指導医薬品は医療用に準じたもので,薬剤師と対面で指導・文書での情報提供を受けて購入する。第1類医薬品も薬剤師からの指導・文書での情報提供が必要。
●オピオイド鎮痛薬
おぴおいどちんつうやく
オピオイドとは,阿片(オピウム)の主要な成分であるモルヒネに類似した作用を示す化合物の総称。モルヒネは優れた鎮痛作用があるが☆依存性★▼前出▼をもつため,依存性の少ない鎮痛薬として合成された。
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