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ポケットメディカ 処方薬事典
概要

内03:心臓病と不整脈の薬
薬剤番号:内03-01-01~内03-03-04

■心筋梗塞,狭心症などの虚血性心疾患に用いる薬と,不整脈に用いる薬を中心に説明します

◆虚血性心疾患に用いる薬(一般に強心薬と呼ばれています)
◆不整脈に用いる薬
◆高血圧に用いる薬のうち,効能に「不整脈」や「狭心症」があるもの(ベーター・ブロッカー,カルシウム拮抗(きっこう)薬などを含む)
*内04の「血圧の薬」と合わせて参考としてください。

■副作用・相互作用に注意すべき薬

◆ジギタリス
 食欲不振・吐きけ・嘔吐・下痢/光がないのにちらちらする・ものが黄色に見えたり緑色に見えたりする・ものが二重に見える/めまい・頭痛・失見当識・錯乱などは,ジギタリス中毒の徴候です。すぐに主治医に連絡をとってください。併用によりジギタリス中毒がおこりやすい薬剤が多くあるので,ジギタリス製剤を服用中に他の医師を受診するときは注意が必要です。

◆不整脈の薬
 不整脈治療薬のなかには無顆粒球症など重い血液障害をおこすものが少なくありません。血液検査を定期的に受けるとともに,原因不明の発熱・のどの痛み・紫斑・ひどい疲れを感じたら,必ず処方医に連絡して相談してください。これらの症状は,ちょうどかぜの初期症状にも似ているので,簡単にかぜや寝不足のせいにしないで,きちんとした検査を受けるようにする必要があります。

◆ベーター遮断薬(ベーター・ブロッカー)
 心不全,心ブロック,気管支ぜんそく,閉塞性肺疾患などを悪化させる可能性があります。狭心症の患者に投与していて急に服薬をストップすると,症状の悪化や心筋梗塞が引きおこされたという報告があるので,自分勝手に服用をやめないでください。

◆カルシウム拮抗薬
 多くの製剤が発売されていますが,共通した副作用には,頻脈や動悸などの循環器症状のほかに,血管が拡張されることにより発生する頭痛や顔面の紅潮などがあります。それと特徴的な副作用に歯肉の増殖があります。
 相互作用で気をつけなければいけないものには,薬ではありませんがグレープフルーツジュースがあります。中に含まれる成分により,薬が肝臓の中で代謝されるのが妨げられ,結果として作用が強く現れることがあるからです。

◆硝酸・亜硝酸誘導体
 バイアグラ(シルデナフィルクエン酸塩シルデナフィルクエン酸塩ほか)の出現で一躍脚光を浴びたのが,狭心症発作に用いられてきた硝酸・亜硝酸誘導体です。両者を併用すると血圧が下がりすぎることがあるので注意が必要です。

■薬剤師の眼
カルシウム拮抗薬は,こんなに多くの種類が必要か?
 カルシウム拮抗薬には実に多くの種類の製剤があります。主として不整脈の治療に用いられるベラパミル塩酸塩,不整脈・狭心症それに高血圧治療にも用いられるジルチアゼム塩酸塩は,いずれも欧米のどの国においても広く使われています。
 それ以外のカルシウム拮抗薬を総称してジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬と呼んでいます。日本では多種類のジヒドロピリジン系薬剤が発売されています。なかには欧米では全然薬になっていないのに,日本で繁用されているものがあります。
 降圧薬として第一選択とされる薬には次の4種類があります。カルシウム拮抗薬,ACE阻害薬,ARB,そして利尿薬です。ここ数年,これらの薬を組み合わせた配合剤が多く出てきました。カルシウム拮抗薬とARBの配合剤であったり,これにさらに利尿薬を加えた配合剤まで現れました。カルシウム拮抗薬に限れば,高コレステロール血症改善薬との配合剤も出てきました。
 カルシウム拮抗薬を含む血圧降下薬の新しい流れと言えるのかも知れません。このような流れのなかで,前述の欧米では認可されていないのに日本で繁用されるカルシウム拮抗薬がどのような経過をたどっていくのか,注意深く見守っていきたいと思っています。

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