ポケットメディカ 健康レシピ

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3割麦ごはんにするだけで、糖尿病の予防・改善が期待できる
「押し麦」は大麦の外皮を剥いで軽く蒸し、ローラーを使って平たくしたもの。炊きやすいのが特徴です。その押し麦を、白米に混ぜて炊いたのが「麦ごはん」です。麦ごはんにも、GIを低くする働きがあります。
 白米、麦ごはん、発芽玄米ごはんでGIの値を研究しました。ちなみに、麦ごはんは、白米に押し麦を3割程度入れただけなので、味覚的にはそれほど気になりません。白米、麦ごはん、発芽玄米ごはんともに空腹時と、食べたあとの15分、30分、45分、60分、90分、120分の計7回にわたって、指先からの採血で食後の血糖値の変動を観察しています。
 その結果、白いごはんのGIを100とした場合、麦ごはんのGIは65になりました。発芽玄米ごはんも65なので同等の効果がある結果になりました。
「麦飯」が空腹時血糖値やヘモグロビンA1cを改善
 2005年に開催された「第46回日本人間ドック学会学術大会」において、2型糖尿病患者109人の医療記録を基にした発表がありました。1998~2004年に、福島刑務所に服役した男性受刑者の経過追跡です。
 空腹時血糖の平均値は、入所時184mg/dlだったものが出所前には113mg/dlに。ヘモグロビンA1cは入所時に8.4%だったものが、出所前は5.9%に低下していたのです。さらに、栄養摂取量は日本人の平均と同等以上、一方で運動量はそれほど多くなかったのに、インスリンで治療していた17人のうち5人が注射をやめることができ、経口血糖治療薬で治療していた34人のうち17人が服薬を中止できたのです。
 発表を行った福島刑務所医務課の日向正光氏らは、刑務所の主食である「麦飯」――米7麦3のごはんを毎日食べることで、食物繊維、とりわけ水溶性食物繊維の摂取量が多くなり、糖代謝の改善につながったのではないかと考えました。
 東京慈恵会医科大学では、創設者である高木兼寛博士が麦飯を推奨したことから、入院患者さんに対して、月4回、麦飯をお出ししています。高木兼寛博士は「ビタミンの父」と呼ばれ、明治時代、日本海軍の軍人たちが遠洋航海で苦しんだ脚気を、麦飯で激減させたことで知られています。
 押し麦には、ビタミンB群、カルシウム、鉄分なども豊富で、麦ごはんは、栄養学的な側面からも理想的な主食になります。
楽しい食事でヘルシーライフ!
プロの料理研究家による
厳選の本格健康レシピ。
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