ポケットメディカ健康相談

医者からもらった薬がわかる本
医者からもらった薬がわかる本
マ行

本書に掲載している薬用語,副作用のうち,聞き慣れないものを中心に解説しています。【初】=初発症状(初期に現れる症状)を示します。

■マ行

●末梢神経炎
まっしょうしんけいえん
末梢神経には,①脊髄から出て筋の直前まで行く運動神経,②皮膚や関節などから出て脊髄に入るまでの感覚神経,③自律神経がある。最近は神経炎と呼ぶのは,神経組織を顕微鏡で観察して,好中球・リンパ球などの炎症性細胞が侵入している場合だけに限っており,診療上はニューロパチー(=末梢神経障害▼後出▼)という言葉が高頻度に用いられている。
【初】手足のしびれ・チクチクした痛み
●末梢神経障害
まっしょうしんけいしょうがい
神経線維または神経線維をおおっている髄鞘(ずいしょう)が障害されることにより症状が発現する病態を広く含んでいう。原因には遺伝,外傷,中毒,代謝異常,炎症,虚血(きょけつ),感染など,さまざまなものがある。神経線維が広く侵されると,筋力の低下,筋萎縮,感覚鈍麻(どんま)などの症状が現れる。
【初】手足の先端のしびれ,ピリピリした感じ,チクチクする感じ,脱力感
●麻痺性イレウス
まひせいいれうす
☆腸管麻痺★▼前出▼による腸内容の輸送障害が示す☆イレウス★(腸閉塞)▼前出▼を,麻痺性イレウスと呼ぶ。
【初】頑固な便秘,腹部膨満感,吐きけ・嘔吐,腹痛
●麻薬
まやく
大脳の知覚中枢の機能を麻痺させる。快感と多幸感をもたらすが,☆依存性★▼前出▼の著しい薬物。
●ミオパシー(=ミオパチー)
みおぱしー(=みおぱちー)
筋力低下を伴う筋疾患には,筋を支配する神経系に原因がある場合と,筋そのものに異常がある場合とがあり,後者を指していう。代謝性,炎症性,中毒性,内分泌性などのさまざまな原因による疾患が含まれる。
【初】筋肉の脱力感,手足のしびれや痛み,ふらつき感,つまずき
●無顆粒球症
むかりゅうきゅうしょう
白血球のうち,顆粒球(かりゅうきゅう)には好中球,好酸球,好塩基球がある。☆顆粒球減少症★▼前出▼あるいは☆好中球減少症★▼前出▼が高度に進み,顆粒球数がゼロに近く減少した病態。原因で最も多いのは薬剤に起因するもので,中毒性に,またアレルギーによって発症する。症状は易(い)感染性で,重症感染症をおこす危険がある。
【初】原因不明の発熱・悪寒・のどの痛み,手足の紫斑(あざ)や点状出血,全身脱力感,歯や鼻の出血,口内炎
●無菌性髄膜炎
むきんせいずいまくえん
髄膜炎のうち,細菌感染が否定される髄膜炎。大部分はウイルスによるが,真菌,寄生虫,薬剤,化学物質などでもおこる。一般的に髄膜炎では意識障害を示さず,脳炎に発展しない限り予後は良好とされる。
【初】発熱,頭痛,筋肉の痛み,首のこり,吐きけ
●モノアミン酸化酵素
ものあみんさんかこうそ
生体では,アミノ酸の分解産物であるアミンをホルモンや情報伝達物質として用いている。アミノ基を1つもつアミンをモノアミンといい,☆アドレナリン★▼前出▼,☆ノルアドレナリン★▼前出▼,ドーパミンや☆セロトニン★▼前出▼を指す。神経接合部で情報伝達の役割を終えたモノアミンを分解する酵素がモノアミン酸化酵素で,体内のモノアミン量を調節する作用をもつ。
●モノクローナル抗体
ものくろーなるこうたい
ある抗原に対して,免疫作用によって生体内に生じる抗体は,その抗原分子のさまざまな部位に反応する多種類の抗体分子を含むが,目的の抗原分子の単一の抗原部位に対してのみ反応する抗体を大量精製する技術が開発され,薬剤応用されている。そのような抗体をモノクローナル抗体といい,活性も高い。
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